
Amazon Prime VideoのMGM+チャンネルで007シリーズの配信が開始され、映画ファンにとって待望のニュースとなっています^1。1962年の記念すべき第1作から2021年の最新作まで、半世紀以上にわたって世界中で愛され続けてきたスパイアクションの金字塔を、公開順に詳しくご紹介します。本記事では、各作品の魅力的なあらすじとともに、歴代ジェームズ・ボンド俳優の変遷も辿りながら、007シリーズの全貌を明らかにしていきます。
ショーン・コネリー時代(第1~7作目)
第1作目:『007は殺しの番号』(007/ドクター・ノオ)1963年6月1日公開
映画007シリーズの記念すべき第1作目となる本作は、ジャマイカで発生したアメリカの月面ロケット発射工作を阻止する謎の中国人ドクター・ノオとの対決を描いています^2。英国諜報部員殺害事件の真相解明のため、コードネーム「007」を持つMI6のエリート諜報員ジェームズ・ボンド(ショーン・コネリー)がジャマイカに派遣されます^2。イアン・フレミングの原作小説を初めて映画化した記念すべき作品で、ショーン・コネリーを世界的スターに押し上げた歴史的な一作です^2。
第2作目:『007/危機一発』(007/ロシアより愛をこめて)1964年4月25日公開
世界的犯罪組織「スペクター」がジェームズ・ボンドへの復讐を計画し、女好きのボンドの弱点を狙って美しいソ連情報局員タチアナ(ダニエラ・ビアンキ)を罠として差し向けます^2。暗号機を持って英国へ亡命したいと希望するタチアナを怪しみながらも、ボンドはイスタンブールへ向かい、スペクターの陰謀に立ち向かいます^2。本作ではボンドとスペクターの因縁が本格的に描かれ、ダニエラ・ビアンキの品ある美しさがボンドガールの基調を確立しました^2。
第3作目:『007/ゴールドフィンガー』1965年4月1日公開
英国の金が大量に国外へ流出する事件を受け、世界有数の金保有者であるゴールドフィンガー(ゲルト・フレーベ)による密輸調査をボンドが命じられます^2。拳銃の音で始まるオープニング、テーマ曲、ボンドカーの登場など、以降の007シリーズの定番要素が確立された記念すべき作品です^1。富豪でありながら大量破壊兵器にも手を出すゴールドフィンガーとの対決では、ナチスの金塊をかけたゴルフシーンも印象的で、シャーリー・バッシーによる主題歌も世界的ヒットとなりました^1。
第4作目:『007/サンダーボール作戦』1965年12月11日公開
核爆弾を搭載したNATO軍戦闘機を強奪した犯罪組織「スペクター」が、米英に対して1億ポンドのダイヤモンドを身代金として要求する事件が発生します^2。ボンドはハバナに飛び、核爆弾の捜索に乗り出しますが、本作ではシリーズ初となる本格的な水中撮影が話題となり、第38回アカデミー賞視覚効果賞を受賞しました^2。トム・ジョーンズの爆発力ある歌声による主題歌も印象的な作品です^2。
第5作目:『007は二度死ぬ』1967年6月17日公開
アメリカとソ連の宇宙カプセルが原因不明の軌道逸脱を起こし、その妨害ロケット基地が日本にあるという情報を得たMI6がボンドを日本に派遣します^2。日本の諜報員タイガー田中(丹波哲郎)の協力を得て調査を進める中で、再びスペクターの陰謀が明らかになります^2。東京オリンピック開催直後の日本でロケが敢行され、丹波哲郎をはじめとする日本の名優たちが豪華共演を果たした、日本との深い関わりを持つ特別な作品です^2。
第6作目:『女王陛下の007』1969年12月13日公開
ショーン・コネリーに代わってジョージ・レーゼンビーがジェームズ・ボンドを演じた異色作です^1。ボンド役を演じた俳優の中で唯一1作品のみの出演となったレーゼンビーの演技は、より人間的で感情豊かなボンド像を描き出しました。
第7作目:『007/ダイヤモンドは永遠に』1971年12月25日公開
ショーン・コネリーがボンド役に復帰した作品で、ダイヤモンド密輸を巡る国際的陰謀が描かれています^1。コネリー最後のボンド作品(正規シリーズでは)として、彼の魅力が存分に発揮された記念すべき作品となりました。
ロジャー・ムーア時代(第8~15作目)
第8作目:『007/死ぬのは奴らだ』1973年7月14日公開
3代目ジェームズ・ボンドとしてロジャー・ムーアが登場し、より軽妙でユーモラスなボンド像を確立しました^1。ムーア版ボンドの特徴である洗練された魅力と軽快なアクションが印象的な作品です。
第9作目:『007/黄金銃を持つ男』1974年12月14日公開
黄金の銃を使う暗殺者との対決を描いた作品で、ロジャー・ムーアの魅力が存分に発揮されています^1。エキゾチックなアジアを舞台とした壮大なスケールのアクションが展開されます。
第10作目:『007/私を愛したスパイ』1977年12月10日公開
ロジャー・ムーア版ボンドの代表作の一つで、ソ連の美女スパイとの共闘と恋愛が描かれています^1。冷戦時代を背景とした国際的スケールの大きな物語展開が特徴的です。
第11作目:『007/ムーンレイカー』1979年12月8日公開
宇宙を舞台とした壮大なスケールの作品で、007シリーズの中でも特にSF色の強い異色作です^1。ロジャー・ムーアの演技と共に、当時最先端の特撮技術が駆使されました。
第12作目:『007/ユア・アイズ・オンリー』1981年7月4日公開
比較的現実的なスパイアクションに回帰した作品で、ギリシャを舞台とした復讐劇が展開されます^1。ムーア版ボンドの中でもよりシリアスなトーンが印象的です。
第13作目:『007/オクトパシー』1983年7月2日公開
インドを舞台とした冷戦スパイアクションで、核兵器を巡る国際的陰謀が描かれています^1。エキゾチックな舞台設定とムーアの円熟した演技が光る作品です。
第14作目:『ネバーセイ・ネバーアゲイン』1983年10月7日公開(別枠)
タリアフィルム製作による番外編的作品で、ショーン・コネリーがボンド役に12年ぶりに復帰しました^1。正規のイーオン・プロダクションズ作品ではありませんが、コネリーの魅力が再び堪能できる特別な作品です。
第15作目:『007/美しき獲物たち』1985年7月6日公開
ロジャー・ムーア最後のボンド作品で、マイクロチップを巡る陰謀が描かれています^1。12年間にわたってボンドを演じたムーアの集大成となる記念すべき作品です。
ティモシー・ダルトン時代(第16~17作目)
第16作目:『007/リビング・デイライツ』1987年12月19日公開
4代目ジェームズ・ボンドとしてティモシー・ダルトンが登場し、よりシリアスで現実的なボンド像を確立しました^1。冷戦末期を背景とした重厚なスパイサスペンスが展開されます。
第17作目:『007/消されたライセンス』1989年9月9日公開
ダルトンの2作目にして最後のボンド作品で、個人的な復讐をテーマとしたよりダークな物語が描かれています^1。従来の007シリーズとは一線を画すシリアスなトーンが特徴的です。
ピアース・ブロスナン時代(第18~21作目)
第18作目:『007/ゴールデンアイ』1995年12月16日公開
6年間のブランクを経て、5代目ジェームズ・ボンドとしてピアース・ブロスナンが登場しました^1。冷戦終結後の新しい時代に相応しい、モダンで洗練されたボンド像が確立された記念すべき復活作です。
第19作目:『007/トゥモロー・ネバー・ダイ』1998年3月14日公開
メディア王による世界支配の陰謀を描いた作品で、情報化社会の到来を予見した先進的なテーマが話題となりました^1。ブロスナンの魅力と現代的なアクションシーンが見事に融合した作品です。
第20作目:『007/ワールド・イズ・ノット・イナフ』2000年2月5日公開
石油利権を巡る国際的陰謀を背景に、ボンドの過去と深く関わる敵との対決が描かれています^1。ブロスナン版ボンドの中でも特に感情的な要素が強い作品として印象に残ります。
第21作目:『007/ダイ・アナザー・デイ』2003年3月8日公開
ピアース・ブロスナン最後のボンド作品で、北朝鮮とアイスランドを舞台とした壮大なスケールの物語が展開されます^1。CGIを多用した当時最先端の映像技術と、ブロスナンの円熟した演技が印象的な集大成的作品です。
ダニエル・クレイグ時代(第22~26作目)
第22作目:『007/カジノ・ロワイヤル』2006年12月1日公開
6代目ジェームズ・ボンドとしてダニエル・クレイグが登場し、シリーズを完全にリブートした革新的な作品です^1。より人間的で肉体的なボンド像を確立し、原点回帰とモダンな要素を見事に融合させました。
第23作目:『007/慰めの報酬』2009年1月24日公開
前作の直接的な続編として、ボンドの復讐と成長を描いた重厚な物語が展開されます^1。クレイグの演技力が存分に発揮された、感情的にも複雑な作品となっています。
第24作目:『007/スカイフォール』2012年12月1日公開
ボンドの過去と秘密情報部MI6の歴史に焦点を当てた、シリーズ50周年記念作品です^1。ダニエル・クレイグ版ボンドの代表作として、批評的にも商業的にも大成功を収めました。
第25作目:『007/スペクター』2015年12月4日公開
犯罪組織スペクターの復活を描き、過去のシリーズとのつながりを再構築した野心的な作品です^1。クレイグ版ボンドの集大成として、シリーズの伝統と革新を見事に両立させました。
第26作目:『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』2021年10月1日公開
ダニエル・クレイグ最後のボンド作品にして、現時点でのシリーズ最新作です^1。15年間にわたるクレイグのボンド俳優としての軌跡を締めくくる、感動的な完結編となっています。
まとめ
Amazon Prime VideoのMGM+で配信が開始された007シリーズは、1962年から2021年まで約60年間にわたって製作された全26作品(番外編1作品含む)で構成される、映画史上最も長寿かつ成功したスパイアクションシリーズです^1。6人の俳優がジェームズ・ボンドを演じ、それぞれが独自の魅力でキャラクターを解釈してきました。初期作品の映像技術に物足りなさを感じる若い世代には、ピアース・ブロスナン以降の作品から鑑賞することが推奨されていますが^1、シリーズの歴史と進化を理解するためには公開順での鑑賞が最も適しています。MGM+での配信により、これらの名作を手軽に楽しめるようになったことは、映画ファンにとって非常に価値ある機会と言えるでしょう。
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